分散型ネットワーク・アプリケーションの研究

Distributed Network Application Research and Development Group


インターネットの普及に伴い,われわれの社会生活においてさまざまな場 面でネットワークが利用されています.企業や大学においては,早くから LAN(Local Area Network)が導入され, 現在では1Gbps以上の通信速度を持つネットワークインフラは 当たり前の時代になりつつあります. また,個人の家庭にもADSL や FTTH(Fiber to the home)をはじめとする ブロードバンドクラスのネットワークが普及しつつあります.

本研究グループでは,現代社会にとってなくてはならない存在となった ネットワークを利用した, さまざまなアプリケーションの研究・開発を行う予定です. 具体的には,以下の二つの研究をはじめます.

  1. マルチエージェントを利用した情報操作システム
  2. 遠隔教育システム

1.マルチエージェントを利用した情報操作システム

地球規模で利用されているインターネットには, 実にさまざまな情報が蓄積されています. これらの情報を公開・収集する方法は,大きく分けて二つの方法があります.

  1. サーバ・クライアント方式
    WWWやFTPなど,サーバ上で公開されている情報を, クライアントから取得する方法. WWWではサーチエンジンを利用して情報を得ることができ, FTPでは archie サービスで必要な情報が存在するサーバを検索し, 取得可能.
  2. P2P(Peer-to-Peer)方式
    Napster や Gnutella など,サーバを持たず,情報を持つ端末同士で直接 情報のやり取りを行う方法.

本研究グループでは,まず,2.の P2P 方式による情報のやり取りの実現方法として 「モバイルエージェント」を用いたシステムに関する研究を行います. モバイルエージェントを用いることによって,情報検索,情報収集, 情報書き換えなどの操作が高機能かつ効率的に実現可能になります. さらに,アドホックネットワークなど, 端末や通信リンクの出現・消滅が頻繁に生じるような ネットワークでの効率的な情報操作が可能になります.

モバイルエージェントを用いた情報操作システムの応用例としては, たとえば以下のようなものがあげられます.

これらはいずれもモバイルエージェントを利用しなくても 実現可能なアプリケーションですが, 本研究では,モバイルエージェントの特徴を十分に発揮させ, 今までより便利で使いやすく, かつ高機能なアプリケーション開発を目指します. また,アプリケーション開発だけでなく, 理論的な基礎技術として分散アルゴリズムについても扱います. これは,分散アルゴリズム研究グループ と合同での研究となります.


2.遠隔教育システム

教える側(教官),そして教えられる側(学生)が利用しやすく, また学習効果の高い, ネットワークを利用した遠隔教育システムの研究・開発を行います.

具体的には,以下のようなテーマを扱う予定です.

  1. プログラミング学習システム
    与えられたプログラミングに関する課題の回答として ソースコードを提出すると,自動的にコンパイル,テストが行われ, 正しい解答かどうかやプログラムとしての質などについて評価され, 結果が学習者にフィードバックされるシステム
  2. そのほか

分散型ネットワークアプリケーション研究グループ