先進的ネットワーク・コンピューティング・システムの研究

これからのネットワーク社会において,我々の活動を助け, 活動をさらに大きく広げるために役立ち,真に頼りになるコン ピューティングシステムの構築に必要な理論と技術の開発を目 指して研究を進めます.

この研究では,次のようなコンピューティングシステムを 目標としています.

  • 利用者の個人的な活動の変化,あるいは,利用者が形成する コミュニティの変化に応じて,自ら構成や機能を変化させて適応 する.
  • 専門家や一般利用者が,それぞれの立場で構成や状態を把握 し,問題の発生や対処法を容易に知ることができる機能を提供す る.
  • ネットワークに氾濫する情報から必要な情報を取り出して知 識として蓄積し,目的に応じた編集により知識を容易に再利用し 共有化できる機能を提供する.
  • 具体的には,並列分散システムの技術を柱に,コンピュータ ネットワーク,ソフトウェア工学,知識工学の技術と融合させて, 次のようなテーマに取り組みます.

    1. 時空間情報コンピューティングの研究
    2. 時間情報と位置情報に着目した情報の検索と処理に関する研究を進めます.また,状況 に応じて伸縮自在の地図を合成するシステム,種々のセンサと多様な地図を結びつけた位 置情報処理システム,および,それらのモバイルアプリケーションへの応用などに取り組 みます.
    3. ユビキタス・コンピューティングの研究
    4. 家庭内LAN を例に,情報家電など様々な場所に偏在するコンピューティングパワーを利 用した生活支援アプリケーションを考えます.状況依存型情報家電制御システムの作成, 携帯電話を用いた情報家電の制御システムの作成などに取り組みます.
    5. ネットワーク診断システムの研究
    6. ネットワークシステムの監視,測定,分析,診断,ビジュアル化により,構成や状態を 説明して問題点を指摘するシステムについて研究します.高速ネットワークのパケット監 視システム,ネットワークのサービス異常の診断システム,マルチエージェントを用いた ネットワーク監視診断システム,モバイルエージェントを用いたネットワーク管理システ ムなどに取り組みます.
    7. 分散アルゴリズムの研究
    8. 分散アルゴリズム,特に耐故障性の高い自己安定アルゴリズムを中心に理論的な研究に 取り組みます.
    9. 分散型ネットワーク・アプリケーションの研究
    10. インターネットを利用した応用システムとして,遠隔学習システム,マルチエージェン トによる情報収集システムなどについて研究します.

    共通ゼミ

    次のゼミを3月から5月まで行います.

    プログラミング実習
    1. Java ゼミ:Java の基礎から応用まで。
    2. Lisp ゼミ(来年度からやります。):Lisp の基本を勉強します。
    輪講
    1. ネットワーク・システムの輪講:ネットワークの用語を勉強します。
    2. データベース・システムの輪講:SQL言語とRDBMSの知識を身に着けます。