- 細川宜秀
「地図への文書自動配置機能を有する空間的文書検索システムの開発」
情報処理振興事業協会(IPA)
平成15年度未踏ソフトウェア創造事業
期間:H15.6.20 -- H15.11.28, H16.1.5 -- H16.2.27
研究費の額(千円): 9,807 (千円)
主旨:本開発は,ある文書データ群から,与えられたキーワードと空間的
検索条件に適合する文書データを検索するためのシステムを開発
するものである.ここで実現するシステムの主要な特徴は,次の点にある.
(特徴)文書データに含まれる地名から対応する緯度経度に自動変換するための機構の
実現
具体的には,文書データに含まれる地名を,地図データに登録されて
いる住所名と直接マッチングするのではなく,地図に含まれるランド
マークに特徴を表す単語群をメタデータとして割り当て,そのメタデ
ータと文書データの相関量を計算することにより,文書データと高い
相関のあるランドマークを自動選択する機能を実現する.
一般に,文書データに現れる地名には,地図データに登録されてい
る完全な住所名として記述されていないものが多く存在するが,ここ
で開発するシステムは,そのような地名に対応する緯度経度を自動的
に決定することが可能になる.さらに,地図データに含まれるランド
マークに特徴を表すメタデータを定義しておけば,どんな文書データ
に含まれる地名も緯度経度に自動変換することが可能になる.
本代表者は,昨年度,この緯度経度変換機構のプロトタイプを作成
し,変換精度を調べた.その結果,文書データに含まれる地名の 85
%が正しく変換できたことを確認した.この結果,文書データを地図
上の適切な位置に配置することが可能となり,この結果は,文書検索
の精度向上に大きく貢献するものである.
本開発では,このプロトタイプシステムを,市販されている数値地
図に適用可能な形に実現することで,文書データを地図上に自動配置
可能にし,空間的条件判定を伴う文書データ検索を実現する.
デモシステム