Emmaでは,街のイメージ,通りのイメージを把握し易くなるように,街や通りを抽象化して表現します.通常,街や通りには多数の建物が存在します.小さい縮尺のマップの場合には,それらをすべて表示することはできません.このため,多くの地図では代表的な建物を選択して,そのシンボルを表示しています.Emmaでは,建物などの地図要素の間の意味的関係(地図オントロジー)に基づいて,多数の要素の代表となるピクトグラム(絵文字)を求めて,街や通りのイメージを表現します.Emmaでは,タクソノミー(taxonomy)とパートノミー(partonomy)の関係を用います.
タクソノミーは,「寿司屋は和食店の一種である」,「和食店は飲食店の一種である」というような「AはBの一種である」という関係を表し,右図のような階層的関係になります.
Emmaでは,タクソノミーを用いて,たとえば,洋食店や和食店が沢山あって表示が重なるときには,飲食店と表示します.このように複数の事物を1つの代表要素にまとめる操作を畳み込み(fold)操作と呼んでいます.
パートノミーは,「拝殿と宝物殿は神社の一部である」,「店舗は商店街の一部である」というような「AはBの一部である」という関係を表し,右図ような階層的関係になります.
Emmaでは,たとえば,右図の神社エリアの階層に含まれる要素をすべてフォーカスエリアに表示するようにフォーカスエリアの大きさと縮尺を定めるために,パートノミーを用います.
タクソノミーに基づく畳み込み操作を適用した場合
地図アイコンをそのまま表示した場合
名古屋市内の押切町商店街と柳原商店街を商店街のピクトグラムで表し,弁天通商店街の全店舗をフォーカスエリアに納めると下図のようなEmmaになります.
携帯端末用のEmmaでは,GPSなどで求めた現在地を中心に,下図のように近景をフォーカスに詳細に,遠景をコンテキストに概略で表示します.グルーには,フォーカスからコンテキストに至る通りのイメージを表示します.
本ページのマップでは,(c)Office SlowLifeのシンボルを一部のアイコンとして使用しています.
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